会社と社員が信頼し合えない理由

「社員は無責任で信用できない」「会社はいざという時に信用できない」などの不信感が蔓延している場合、社員をコスト視する会社の姿勢に原因があるかもしれません。

企業が業績を上げていく上で、社員の労働生産性の向上は欠かせません。
そして、社員の生産性を高めるために企業は賃金や労働条件の改善・福利厚生の充実・社員研修などを行い、社員のやる気を引き出そうとします。

そのような試みにもかかわらず労使間に信頼関係が築けないとすれば、原因はどこにあるのでしょうか。
ここでは「社員をコストとして扱う行動」に着目し、その類型整理と、行動を改善した場合の効果について解説します。

人件費・および法定福利費(社会保険料など)・その他福利厚生費などは、いずれも会計処理上 「販売費及び一般管理費」に計上されます。一般的には、販管費と呼ばれています。

企業の目的を「利益の最大化」と捉えるならば、人件費はコストに見えます。つまり、「利益を出すためには人件費や福利費などは低いほどよい」という考え方になります。

人件費をコストだと考えた場合、企業は増加リスクを防ぐために下記のような様々な対策をします。

①契約社員やアルバイトの比率を高め、人員調整ができるようにする
②社会保険料を低く抑えるために時間調整その他対策をする、または社会保険に加入しない
③健康診断を受けさせない、育児休業を取らせないように誘導するなど、従業員の福利厚生費削減を試みる
④給与を歩合にし売上低下時の人件費率上昇を抑える

法律違反はもちろん許されませんが、経済合理性だけを考えると、上記のような企業の行動は肯定されます。

前項の企業行動を社員側から見た場合、社員はどのように思うでしょうか。次のように思うかもしれません。

①いざという時すぐに辞めさせる事ができるように、契約社員やアルバイトにしている
②社会保険料を節約するために調整をしている
③健康診断費用がもったいないから受けさせない

会社が社員を疑った上で行動すると、「その反応として社員が会社を疑う」という関係悪化コストの恐れがあります。
社外の研修などで社員のモチベーションをあげようと努力する一方で、「社員をコスト視する行動」がモチベーション低下をもたらしている可能性も考えるべきでしょう。

全員正社員、社保完備、給与は単純に年功序列。社員をコストとして考えず長く付き合う仲間と考え、まず会社側から社員を信頼する姿勢を見せる。そのような「先に信頼する」マネジメント姿勢が、労使関係改善のヒントになるかもしれません。
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by kt-sr | 2013-05-02 08:06

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